≪書籍情報≫
著者:
加藤元浩
出版社:
講談社
版型:
新書版
カテゴリー:
少年コミックス
連載雑誌:
マガジンGREAT
≪同一著者書籍≫
【古本コミック】
・
【古本】C.M.B. 森羅博物館の事件目録 [続巻]
≪参考情報≫
参考情報はWikipediaより抜粋したものです。(詳細は下記のとおり。)
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『Q.E.D. 証明終了』(きゅーいーでぃー しょうめいしゅうりょう)は加藤元浩による少年漫画作品で、マガジンGREAT(講談社)に連載されている推理漫画。
【概要】
第1話『ミネルヴァの梟』の掲載は1997年7月号。ただし掲載当初は読切形式による単発掲載であり連載作品ではなかった。第1話掲載後、好評により1998年に第2話『六部の宝』、第3話『ロスト・ロワイヤル』がそれぞれ同誌5月号・7月号に読切短期連載の形で掲載。
この時の人気を経て第4話『銀の瞳』が同年の同誌11月号に掲載。これらの読切掲載の好評により同誌1999年1月号に掲載された第5話『ブレイク・スルー』より連載作品となる。
掲載が始まった1990年代は『金田一少年の事件簿』の成功により『名探偵コナン』や『ぼくらの推理ノートシリーズ』などの推理漫画が数多く発表された時期でもある。
【評価】
連載ペース
隔月刊ゆえに可能となる、100ページ前後のボリュームを持つ作品の一挙掲載による、一話完結を連載の基本ベースとしており、それまで発表されていた同種の漫画における謎が謎のままで終わり、解決に次号を待たねばならないために起こる『次回までのストレス』を解消した。
これが読者の支持を受け、一定の人気を博しており、隔月刊誌連載作品としては異例のロングラン作品となっている。また、単行本の売り上げ部数も、講談社における隔月刊誌連載作品での最高記録を樹立しており、以降の動向が注目される。
ミステリ手法
事件の解決において、あえていくつもの事例を挙げておき、その後に各事例と現実を照らし合わせて矛盾を突く『仮定消去』など、それまでの推理漫画と一線を画する整理され卓越したロジックを展開するため、本格嗜好のミステリファンにも評価を受けており一時期において『ミステリコミックの最高峰』とも称された。
あおり文句
これらの点より先ほど挙げた作品をはじめとする、従来の推理漫画とは一線を画する本格嗜好の路線を示すため、単行本の帯などには『知性への挑戦状』『新世紀ミステリ』『知的エンタテインメント』などの言葉が標榜されている。
また、主人公コンビの役割分担(知性担当と行動担当)が明確なため、そこから『Intelligent & Active』なる、あおり文句も称された。単行本17巻・20巻の帯では、法月綸太郎が推薦文を寄せている。
知的な小ネタ
主人公が若き数学者としての顔も持ち合わせ、また作者自身が理系大学卒業であるため、時折数学に関する知識(位相幾何学、無限など)が作内に顔を覗かせる。大学レベルの内容のものもあるが、噛み砕いてわかりやすく説明している。
作中には硬い展開とは裏腹に、笑いを誘うような小ネタも、多数折り込まれている。これは作者の落語好きによるもので、落語を元としたネタも多い。
【事件の取り扱い】
なお、この漫画は「小さな(=殺人ではない)事件の取扱頻度が高い」という推理漫画においては、稀有な特徴を持つ。従来の推理小説・推理漫画において扱われる犯罪はほとんどが殺人であるが(著名な推理小説家であるヴァン・ダインも、彼自身が提唱するミステリーの基本法則の中で、殺人だけが本格推理に値すると述べている)、この漫画ではおよそ2回に1回のペースで殺人以外の小さな事件(日常の謎)も扱い、「部室のケーキを盗み食いしたのは誰か」「剣道部の道場に飛び込んできたバスケットボールを投げたのは誰か」などといった謎が話のテーマに据えられたこともある。
【登場人物】
燈馬 想(とうま そう)
日本某所にある、私立咲坂高校に通っている少年。MITの数学科をわずか15歳で首席卒業しながら、大学の所有する研究機関への道を自ら辞した過去を持つ。MIT在学時の研究テーマはゼータ関数、およびその周辺領域の証明である。その才能ゆえに、人と違った生き方をしてしまったため、自らの人生に疑問を抱いて大学卒業後、現在の学校に再編入した。
基本的に人間の感情の機微には疎い。そのために人との付き合い方に難点を持ち、それがコンプレックスとなっている一面を持つ。反面、人の思考・心理を「論理的」に追求することには長けている。ソフトウェア関連会社へクラッキングできる程の高度なプログラミング技術を有している。
非常な音痴であり、聞く者を苦笑、失笑を超えて石化させる程のレベル。
大学時代に様々な特許を取得しており、一人暮らしであるが生活には全く困っていない(ロキ(後述)曰く、その気になればまだまだ稼げるらしい)。部屋は本と情報機器であふれており、それだけでは飽き足らず近くに貸し倉庫も持っている。それは実の妹をして「本とガラクタで人が泊まれるスペースが無い」と言わしめるほど。
作中で想が「Q.E.D.」の文字を示したら、その時点より先のストーリーは事件の解決編に移る(近作では想自身が記さず、一種の比喩として登場することが多い)。
水原可奈(みずはら かな)
想の同級生で数少ない友人の一人。同級生ではあるがきちんと知り合ったのは、ゲームセンターで想がトラブルに巻き込まれかけたのを助けた時。男勝りで行動力が人一倍どころか“人五倍”はある健康優良おてんば娘。少年マンガにおいてこういったキャラは大抵家事がダメだったりするが、彼女の場合は意外と料理が上手で、想に手料理をごちそうすることもある。他の家事(掃除や裁縫など)の腕は未知数。
想にとっては、クラスメートなど他者との接点を(頼みもしないのに)積極的に繋げてくれる、かけがえのない友人で、自らの犠牲を厭わずに身を投げ出せる「大切な人」であるが、想自身にはその自覚は薄い。
性格は、好奇心旺盛な世話好きで、困っている人を見ると放っておけないタチである(しかし、そのせいで犯人を死なせる原因を作ったことがある)。社交的で機転も利き、必要とあらば方便として嘘すら器用に使いこなす。ただ、学校の勉強は平均より少し下レベルで、特に数学は大の苦手。
剣道部に所属しており腕は達人クラス(女武蔵と呼ばれている)。だが、剣道に限らず運動全般に類稀なる才能を持ち、およそ運動と名のつくものなら、大抵の行動を数度の練習でモノにする。教室の窓から校舎の壁を伝って屋上まで登る、大人でも命の危険を感じる遠泳をこなすなど身体能力は驚異的なレベル。なお、彼女の名前は文化放送のアナウンサーである水谷加奈からとられている。
水原警部(みずはら - )
捜査一課の警部。可奈の父。想の知識と推理力を高く評価しており、事件解決のために想の言葉に耳を傾ける柔軟な一面を持っている。また、洞察力に優れており、想の助けを借りずに事件の核心に迫ることもある。一人暮らしで親と離れて暮らしている想にとっては、力強い父親のような人。登場回数は、想、可奈に次いで3番目に多い。
シド・グリーン/ロキ
想のMIT時代の友人であり、優秀な数学者。北欧神話における『悪戯の神』の「ロキ」というあだ名を持つ無類のいたずら好きで、CIAすら煙に捲くほど。彼もまた才能故の孤独を持ち、自分の発見や理論が常人から理解されない悩みを抱えていたが、想に出会うことでそれから解放された。想にとっては兄のような人であり、良き友であり、相互的な理解者であった。想がMITの研究機関を辞めた際、想が来るまでトップであったロキが、想を追い出したという噂を流されたが、その疑惑は3巻収録『ブレイク・スルー』にて解決した。
エバ・スークタ
ロキの相棒で優秀な情報工学者。褐色の肌を持つ(インド系と思われる)。1976年生まれ。想以外でロキの考え出した理論を形にできる唯一の存在。心優しい女性で常にロキのことを案じ、それ故に過剰な行動を取ることもある。ロキにとっても大切な存在であり、彼女に何かあればすぐさまロキは解決に動く侠気(おとこぎ)を見せる。ロキにとっての大事な存在である想のことも、友人として案じている。
燈馬 優(とうま ゆう)
ボストンにて、一人暮らしをしながら学校に通う、想の妹。アメリカで育った影響か、兄である想をファーストネームで呼ぶ。好奇心旺盛だが、一つのことを考え出すとそれに没頭し、他の刺激・思考をシャットアウトしてしまい、注意散漫になってしまうという悪癖を持つ。そのためにトラブルに巻き込まれたり、取り返しのつかない失敗をしてしまうことすらある。砂の耳の持ち主で、非常にヒアリングに長けている。世界中のあらゆる主要言語を容易に習得し、使いこなす。
なお、燈馬兄妹の両親は、父親が建築家で母親が歴史学者。歴史的に貴重な建造物を修復するため、夫妻揃って世界中を飛び回っており、どこにも定住していない。また、兄妹をして「一番の変わり者」と言わしめる従弟、榊森羅がおり、日本に在住している(後述)。
アニー・クレイナー
マサチューセッツ州の地方検事局に勤める、名門一家の女性検事。ハーバード大学卒。初登場の頃は、まだ経験が足りないためか、些細なミスを繰り返していた。MITに入学したばかりの頃の想に、目に見える事実だけを追わずに、そこから導き出される人間の心情を読むことを教え、それによって人の力になれる人間になるよう諭した女性。可奈とよく似た、竹を割ったような性格をしている。担当していた事件絡みで銃撃され死亡したと思われたが、娘を束縛しようとする父親によって死を偽装され、父親から逃れるため何もかも捨て姿を消した。現在は交渉人のような仕事をしているという。
アラン・ブレード
シェア90%を占めるパソコン用OS「ウィングス」シリーズ(モデルはウィンドウズシリーズ)を開発・販売しているアランソフト社(モデルはマイクロソフト社)の会長で、世界有数の大富豪。モデルは当然ビル・ゲイツ。近年の社員の質の低下に悩み、かつて「ウィングス」の基礎理論開発に力を貸した想を引き抜こうと、様々な手段を使うが、ことごとく想に返り討ちに遭う、通称「災厄の男」。傲慢で自己中心的な性格で、想とは違う意味で、他人の気持ちを思いやる能力に欠ける。
エリー・フランシス
アランの秘書。アランに唯一、気後れすることなく口出しできる存在であるが、アランの奇抜な人材勧誘イベントに、無理やり手伝わされることも少なくない。アランの想い人でありアラン誘拐事件後、アルプスで結婚を申し込まれ「監視役が必要」という理由で承諾した。
咲坂高校探偵同好会
高飛車な会長・江成姫子(えなり ひめこ、通称エラリー・クイーン)、オカルトマニアの盛田織理(もりた おりさと、通称モルダー)、自信過剰な長家幸六(ながいえ こうろく、通称ホームズ)の3名から成る。学園内で起こる事件を解決し、かつ自分たちの知的好奇心の満足のために結成されたが、実際にはその思いの強さが空回りして、逆に事件を起こしてしまうトラブルメーカーとなっている。第48話で、探偵同好会は乗っ取られた挙句につぶされてしまった。そのため、代わりに想が自分名義で「ミステリー同好会」を立ち上げ、江成たちにプレゼントした(想曰く「檻に閉じ込めておかないと周りが迷惑するから」)。
【各話タイトル】
補足
* 単行本のページの都合上、『銀の瞳』が1巻に収録され、『六部の宝』『ロスト・ロワイヤル』は2巻に収録とされた。
* 『ロスト・ロワイヤル』で可奈が運転しているオートバイはホンダ・CBR1100XXスーパーブラックバード。名称から分かる通り、排気量が1リトッルを超過するので大型自動二輪車に分類され、運転には大型二輪免許が必要となる。そして大型二輪免許を取得する為には18歳以上でなければならない。しかし、この話の時点での可奈はまだ高校1年生である。
* 『Serial John Doe』では、試みとして初めて『謎編』と『解決編』に分割し掲載誌の巻頭と巻末にそれぞれ掲載され「一挙2話掲載」と銘打たれた作品。2話を合わせた総ページ数は従来の作品と変わらず。そのため単行本収録において雑誌掲載時「解決編」のトビラであったページがそのまま1Pぶち抜きの1コマとして使われている。
* 『魔女の手の中に』では、それまでのやむない事情で作られた前後編とは違い、初めて2話分ということを意識して作られた作品。とはいえ、作者としては1話で終わらせるはずのものが、どんどん膨らんでいったためにそうなったとのこと。想のMIT在学時のエピソードで、アニー・クレイナーが登場する。この話には単行本1巻分のページ数が費やされており、これをまとめ単行本の1冊完結を踏襲するため前話『冬の動物園』の単行本収録が先送りになった。
* 第18話『凍てつく鉄槌』は、人気を磐石のものとしたシリーズのファン層拡大のために作られた短期連載の特別編。マガジンGreatの兄弟誌である「月刊少年マガジン」2001年1月号・2月号に、短期掲載された。加藤元浩はその後、同誌で別作品『ロケットマン』の連載を行っている。
* 『魔女の手の中に』『銀河の片隅にて』『虹の鏡』はストーリーの構成上、一連のシリーズとなっている。中でも『虹の鏡』は前後編のストーリーであり、そのため12巻はページ数が多い。
* 第41話の正式タイトルは、『狙われた美人女優、ストーカーの恐怖 絶壁の断崖にこだまする銃声 燈馬と可奈はずっと見ていた』である。この長いタイトルは、2時間ドラマのパロディーである。
* 第49話『パラレル』は、連載10周年の記念作品として前後編執筆がなされており、単行本収録に当たっては『連載10周年特増』として『宇宙大戦争』と共に収録された。そのため25巻も12巻と同様、単行本のページ数が増えているのだが、正確に言えば連載(単発掲載時期も含めて) 10周年記念作品は2007年7月号に掲載された第54話『立証責任』である。
* 第52話は、『C.M.B』とのコラボレーション企画による次巻同日発売のため、単行本収録が28巻に先送りされた。
【作中に登場する用語】
カオス理論 (第5話 『ブレイク・スルー』)
混沌、無秩序の意が転じて、現在人間の持っている数学理論では、予測不能な現象を扱う理論。「決定論的システムが作り出す、予想不能のふるまい」をあらわす。
モノポール (第7話 『1st,April,1999』)
磁気単極子。通常の磁石はN極、S極の二つの極を持っている(磁気双極子)。これが、単一の極しか持っていないもの、すなわちN極のみ、S極のみを持つとされる仮想的な素粒子。応用することで、莫大な巨富を生みだすとされる。
オイラーの公式 (第13話 『Serial John Doe』)
大数学者レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler, 1707年4月15日 - 1783年9月18日)が一般化した公式。それぞれは無関係な数である、ネイピア数(e)、円周率(π)が、虚数(i)、0、1という基本的な数により、関係するという公式。
ケーニヒスベルクの橋 (第18話 『凍てつく鉄槌』)
ケーニヒスベルクを流れる川ある7つの橋を、「1度だけ通ることで、元の場所に戻ってくることが可能か」という問題。つまり、一筆書きが可能かを示した問題である。
ジョンバール分岐点 (第22話 『銀河の片隅にて』)
歴史的に重要な場面に干渉したとき、別の歴史が生まれるという理論を説明する際に使われるSF用語。ジョンバール分岐点とは、その別世界が生まれる分岐となる瞬間である。関連項目として、タイムパラドックスや平行世界などがある。
クラインの壷 (第25話 『クラインの塔』)
入口と出口が一緒になっている壷で、始まりも終わりもなく際限なく続く、起点・終点のない壷。メビウスの輪の立体版とも言える。
オッカムの剃刀 (第27話『イレギュラーバウンド』)
単純な答えほど真実に近いという考え方。数学者オッカムが示した。「ある事柄を説明するのに、必要以上の仮説を立ててはならない」というもの。
デデキントの切断 (第29話 『デデキントの切断』)
有理数体を完備化して実数体を構成する方法の一つ。切断とは簡単に言うと、“ある数”より小さい有理数の集合のこと。この“ある数”が有理数の範囲に収まらず実数となるので、これを実数の定義とする。
【C.M.B.との関係】
2005年10月より、月刊少年マガジンにて連載が始まった別作品『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』は、姉妹編にあたり、Q.E.D.と同一世界の出来事という設定。『C.M.B.』の第2巻に1コマだけであるが水原警部が登場している。
掲載当時のマガジンGREAT(2005年9月号)に掲載された『C.M.B.』の広告には「(Q.E.D.の主人公である)燈馬君のイトコが大活躍するぞ!!」の煽り文句が記された。この広告と同様のものが、『C.M.B』第1巻の広告として単行本23巻に収録されている。
第44話『ライアー』では、最後で燈馬兄妹のイトコ(『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』の主人公・榊森羅)の存在が明かされている。同作はこの新連載の告知の意味合いも重なっていた。
『Q.E.D』第28巻と『C.M.B.』第6巻では、エジプトを舞台とした想と森羅の競演が実現。
【関連書籍】
『Q.E.D. -証明終了- THE TRICK NOTE』
作者・加藤元浩と月刊少年マガジン編集部による同作品のオフィシャルガイドブック。
第1話〜第37話までのストーリーダイジェストや作中使用トリックの解説、単行本未収録カラーイラストやキーワード解説、初期未公開作品(Q.E.D.シリーズではない)のダイジェスト掲載など。
天樹征丸(金田一少年の事件簿、探偵学園Q原作者)との対談ページも設けられている。
(「Q.E.D. 証明終了」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2007年10月5日14時(日本時間)での最新版を取得。改訂履歴(http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=Q.E.D._%E8%A8%BC%E6%98%8E%E7%B5%82%E4%BA%86&action=history)。Text is available under GNU Free Documentation License(http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html).)